先日の夕方だったかしら。
窓の外で「ギャキャキャキャキャ!」「ギャキャキャキャキャ!」とけたたましい声が響いた。
「え?なに?カエル?」とみのちゃん。
たしかに似てるけど、そんなはずはない。
ねこ達がすぐさま反応して窓際に集まった。「何事か!」と。
すると、向かいの建物の屋根に鳥が1羽とまった。(ヒヨドリではないかと思う)
くちばしにエサのようなものをくわえて、「ピー、ピー」と小さく鳴いてキョロキョロしている。
ああ、さっきのけたたましい鳴き声の方はヒナだ。
そしてこのピーピーはお母さんで、エサを運んでやっているのだ。
「ギャキャキャキャキャ!」とわたし達から見えないところでわめいているヒナ。
お母さん鳥は心配そうに見守っているようだ。
巣立ち間際のヒナが飛ぶ練習をしていたのだろう、きっと。
グーグーが、あのぼんやりお爺のグーグーが…野生の血が騒ぐらしく、キリッとした顔になっている。
ククちゃんが小刻みな声を出している。「キキキキキキ!」
ももちゃんも嬉しそうにやってきた。
お母さん鳥から目を離さないねこ達の緊張感…!
我が家を外から見たら、さぞかし圧がすごかろう。

ここで窓を開け放ってしまったら、お母さん鳥がびっくりするから決して開けない。
もしかしたら飛ぶのがヘタなヒナが、ベランダに迷い込んで来るかもしれないし。
以前ベランダにヒナが迷い込んで、グーグーとククちゃんにやられそうになったことが実際にあったのだ。
あの時はわたしがヒナを捕まえて逃がしたけれど、グーグーとククちゃんの「絶対に仕留める!」という狩りのスピード感が恐ろしい修羅場であった。
しばらくして、2羽ともどこかに飛んで行った。
このところ毎日朝早くから鳥の声がしていたけれど、きっと近くに巣があるのだわ。
無事に巣に帰れただろうか。


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