Netflixで「ジョーズ」を観ることにした。
東京の息子と孫が(まだ引きずっている…)USJで「ジョーズ」にも行ったよ~、なんて言っていたから。
何度となく観たであろう、スティーヴン・スピルバーグ監督の人食いサメの映画。
でも「2」やら「3」やらあって、記憶がごちゃ混ぜになっていて、結局のところおじさんがサメと戦っていることしか覚えていない。
なので今一度、1975年度版(わたし11歳の時)の最初の「ジョーズ」を、きっちりと観ようと思った。
当時のわが家は、市街地に買い物に行った際、家族で映画館に行くことがわりとあった。
その頃すでにホラー好きなわたしだったので、近日公開のジョーズのポスターや看板を見て心がざわざわしたのを覚えている。サメに襲われるってどれだけ恐ろしいだろう…と。
でも、「ジョーズ」は残念ながら映画館で観ることはなかった。

「大きなスクリーンで観ることができていたら…どんなに良かっただろう。」
…と、今回映画を観終えて思った。…スリルや恐怖を存分に味わうことができただろうよ。
「エクソシスト」もそうだけど、昔の映画なのによく出来ていると思った。
また今回改めて観て、サメとの攻防戦以外、わたしはちゃんと観ていなかったことに気づいた。
ビーチに人食いサメが出没したというのに、観光利益を優先する能天気な市当局。
ビーチを遊泳禁止にしたいのにできない滑稽な警察。
犠牲になった男の子の親が懸賞金をかけたので、ますます多くの人がぞろぞろ集まってくる無防備さ。
そしてビーチには、おいしそうなぷくぷくしたほっぺの幼児が遊んでいたり、ぴちぴちした若者の手足がバタバタ泳ぎうごめいている。
現在では考えられない危機管理のなされてない場所で、7メートル以上の巨大サメが人を襲うのだ。
見ていてイライラする気持ちが、恐怖に拍車をかける…。
また、サメ退治の3人が個性的だった。
冒頭から出てくる警察署長と、凄腕の漁師、海洋学者の3人が、漁船で退治に海に出た。(なんでたった3人?というもどかしさもあるが…)
中でも乱暴な漁師のおじさんが酔っぱらって、ふたりに打ち明けた話が心に残った。
漁師のおじさんは過去の戦争の時、インディアナポリス号という戦艦に乗っていて、広島に落としたあの原爆を基地まで運んだ後、乗っていた船が日本軍の潜水艦の魚雷を受けて沈没した、と話した。
そして、海に放り出された仲間はサメの群れに次々と襲われ、自分は生き残ったというのだ。

この話「インディアナポリス号の悲劇」という本当の話。
乗組員が1200人のうち900人が海に投げ出され5日間漂流した後、救助されたのは316人だという。
ほとんどが「ジョーズ」の映画のように、サメに食われたのだ。
映画より現実の方が恐ろしい。
日本が原爆を落とされた悲劇の一方で、アメリカ側のそんな悲劇があったとは…。
戦争って…ほんまイヤ。
コメント