「おこしを買ってくるけんね!」
みほちゃんが、お父さんとお母さんに「大阪に行ってくる」と告げて浜省ライブにやって来て、もはや3週間になろうとしている…。わたし達は今、「浜省ロス」の中…。
それはさておき、「おこし」とは大阪名物のお菓子だけど、子どもの頃のわたしにはガッカリなお菓子だった…。
地味な紙の包装をぺりぺりと破いて…角が立った固い長四角にかじりつくと、なにしろ固い。甘さはあるけれど、ピリピリ辛い生姜味は苦手。…日にちが過ぎて湿気てしまったおこしは、紙がくっついていたっけ…。ガッカリなお菓子、それがわたしの「おこし」の思い出よ。
ライブの翌日、わたし達は大阪城公園内にあるお土産屋さんに入った。
みほちゃんは一目散に「おこし、おこし」とおこしをきょろきょろ探した。「あったあった、これこれ!」と箱を手に取った。岩おこしと粟おこしがセットになってるみたい。現在は紙の古臭い包装ではなく明るい感じで、可愛らしくもある。それをいくつかカゴに入れた。
イメージ。⤵ たしかこんなだった。

わたしは「他にも色々あるよ、よく見たら?」と声をかける。みほちゃんは「こうと決めたらこう!」という頑なな面があるので、「大阪=おこし」って決めつけなくてもいいじゃん…とわたしは思っていたのだ。
「うん」と、みほちゃんはそれから一通り商品を見て、おこし以外にもカゴいっぱいのお土産を家族に買ったようだ。
浜省グッズ、お土産、大荷物で帰って行ったみほちゃん。⤵

数日後。みほちゃんから電話があり、お土産の話にもなった。お父さんお母さんは「おこし」をとても喜んだそう。「おいしいおいしい、言ってポリポリ食べてる」と。そして「やっぱりおこしで間違いなかった!」「年寄りにはおこし!」と。
やはり家族の事はよくわかっているのだなあ、と感心したことだった。それと同時に、わたしも何十年かぶりに「おこし」を食べてみたくなった!
…というのも、先日こういうことがあったのだ。
みのちゃんが買った「飴ちゃん」が間違ってなぜか「ニッキ飴」で…「なにこれ!まっず!」と口から出した事があったのだ。で、「あげる」と言って1袋手渡されたものの…わたしだってニッキは苦手だ。これもまた子どもの頃に「どうして甘くておいしい物に辛さを入れる?」と不思議なニッキ飴、ニッキ水の思い出があったから。
ひとつ口に入れてみる。そうそう…このスパイシーなピリピリ感よ。…おや?でもイヤじゃない。むしろクセになる…と、意外や意外気に入ったことがあったのだ。
わたしも大人になったものよ。近頃は素朴なお菓子が口に合う。かりんとうや、芋けんぴ、瓦せんべい…。材料に妙なものが入ってないのが口に優しくていい。
と、なると「おこし」もわたしは好きかもしれない…いや、好きだろう!と思って、スーパーで「おこし、おこし」とあの日のみほちゃんのように探し求めた。「あったあった!」年寄りのお菓子コーナーに!
モンドセレクション銀賞も、もらっているではないか。⤵

固い「岩おこし」はなかったけれど「粟おこし」。とても美味しい。生姜のピリリも後を引く。
お土産屋さんで、わたしもひとつ買えば良かったな。
「おこし」って…言わばフロランタンだよね。
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