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「若草物語」のプレゼント

本・映画・テレビ

 わたしの亡き母エイコさんには、トヨコさんとアッコさんというふたりの姉がいた。3姉妹だ。(5人兄弟のうち)

3人姉妹だなんてうらやましいな。わたしには兄がひとりいるだけだから。

3姉妹のうちアッコさんだけは現在もご存命で、先日ポンカンを箱で送ってくださったりして元気元気。

トヨコさんも…6年前89歳で亡くなるまで、母の代わりのようにわたしに良くしてくださった。…ふたりともわたしのことを不憫がっていたから。

トヨコさんは、エイコさんより10ほども年上で看護師さんだった。長く独り身の末、後妻に入ったので自分の子供は無かった。

 わたしが子どもの頃、トヨコさんは会う度にお土産を持参してくれた。中でも印象深いのは「若草物語」の本のプレゼント。

わたしはその「若草物語」を、長きにわたって何十回も繰り返し繰り返し読んだ。自分でも呆れるほど。でも、冒頭から読み始めるとついつい引き込まれ最後まで読んでしまう…魅力のある物語なのだと思う。残念ながらその本が今、手元にないのが悔やまれる。

 ご存知の通り「若草物語」は、メグ(16歳)、ジョー(15歳)、ベス(13歳)、エイミー(12歳)、4姉妹が成長していく物語。作者オルコットの自伝的小説とも言われている。

4人姉妹が「クリスマスのプレゼントを今年はどうするか」、の会話から話が始まる。わたしはこの冒頭のくだりが大好きなのだ。

南北戦争の影響で家計が苦しくなっているから、プレゼントのしあいっこはできない。各々がアルバイト的な事で手に入れた1ドルで自分が欲しい物を買おうよ、ということになる。…本が欲しい、楽譜が欲しい、色鉛筆が欲しい…と、それぞれ心をときめかせる姉妹。

ところが、働いて帰ってくるお母さんのルームシューズがボロボロなのに気づいた4人は…「自分の物は買わずに、お母さんにプレゼントをしましょうよ!」ということになる。

メグは「上等の手袋を」、ジョーは「ルームシューズ!」、ベスは「縁取りのあるハンカチにするわ!」、エイミーは「香水の小瓶!」ってな感じで、張りきる少女達の可愛らしいこと。大好きなお母さんにプレゼントを贈るのが嬉しい楽しい気持ち!

その話のページには挿絵があって、プレゼントの絵が素敵にひとつひとつ描かれていて…。それを見ると、わたしまでうっとりしてしまうのだった。

挿絵の良し悪しは、わたしにとって重要だったように思う。わたしの想像力にプラスされて脳裏に焼き付けられる。挿絵は有りすぎても邪魔で、さりげなくモノクロでそっと描かれていると良い。

挿絵の中の、特にルームシューズの可愛らしく柔らかな感じは今でも忘れられない。当時、布製のルームシューズなんて日本にあった?母が履く毛糸の靴下カバーくらいなものだったよねぇ。バレエシューズもなんだか憧れだったわ。

手袋はミトンが可愛い。

新美南吉の「てぶくろを買いに」の子ぎつねの手袋は赤いミトンだったはず(想像では)。

そんなこんなで…子どもの頃からミトンの手袋が好きなのだ。⤵

ほら、可愛い。⤵ (未使用品)

あれ?「若草物語」から話が脱線してしまった?

いいえ、わたしが言いたいのは…幼少期に植え付けられた「お気に入り」の物、事、は何年たっても変わらないんじゃないか?ってこと。

ワンストラップのフラットシューズも相変わらず好きよ…。⤵

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