カンヌ映画祭で役所広司が賞をもらっていたので、どんなだか観たかったのだ。
わたしの中の役所広司は、最近では「すばらしき世界」の元ヤクザ、「孤狼の血」の刑事、「ペンションメッツア」のキツネ。あと、みのちゃんが最近観ていた何度目かの「THE 有頂天ホテル」のホテル支配人…等々。わたしは、怖い顔より優しい顔のほうの役所さんが好きだな。
「PERFECT DAYS」では、トイレ清掃員。その「平山」という男の日常生活のルーティン。
ルーティンがうまく回れば「パーフェクト」なのだろうか。ルーティンを乱す他人との関わりがあり、そこに気付きや喜びがあってこその「パーフェクト」なのだろうか。はて?
現在の彼のルーティンの生活は、彼の前半の人生の失敗?反省?後悔?から生まれたのであろう…。そんな日々の積み重ねの人生が、結果「パーフェクト」なのだろうか。
わたしが想像するばかりなのは「平山」が語らないからだ。表情で読み解くほかなかろう。
公衆トイレの掃除のうつむいて念入りな仕事と、見上げる公園の緑緑した木々の葉っぱの揺らぎ。光と影の美しさ。
それを感じることができる平山の人間性の高さが…尊い。
この人は過去から学び、小さな喜びの数々を受け止めることができる豊かな心の持ち主となったのだな。また、育った環境も良かったのかもしれない…これまた想像。
強いて言えば…もう2割3割きれいなアパートが良かったかな、東京じゃムリか…。
2回観た…のは、片桐はいりや研ナオコら(他にも)が、ちょい役での出演に気が付かなかったから。「えっ!どこに?」と思って。
役所広司は「ペンションメッツア」のキツネさんが1番好きかな。映画ではなくWОWОWのテレビドラマ。1話だけの出演。
可愛くて面白いインテリジェンスなキツネだった。基本、キツネさんも平山さんも同じキャラのように思える。

さあて、念入りなトイレ掃除をしようかな。
そして平山さんのような「簡素な生活」に憧れるわたしだから、整理整頓に励もう。
さあ!どいてどいて~。


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