ももちゃんは、おやつをあっという間に食べてしまって、「もうないの?」ときりがない。
また、人間の食事に顔を出して「ちょうだい、ちょうだい」とあつかましい。
なのでそのような時は、みのちゃんが「宇宙」と呼んでいる知育玩具を使う。ちなみにわたしは「円盤」と呼んでいる。
それは宇宙でも円盤でもなく…「土星」の形をしていて、中央の球体に小さく切ったおやつを入れるようになっている。
球体部分に直径2センチの丸い穴が開いていて、そこからおやつがこぼれ落ちるのだが、穴の内側にある3つの歯が邪魔しており、それに引っかかって簡単には外に出ないようになっている。
ももちゃんは、それを与えられるとうれしそうな顔をして広いところに運んで行く。
そして、ころころりんっと転がすと、1粒、2粒、飛び出してくるおやつ。
ももちゃんは顔を上げてカリカリクチャクチャ、食べる。
そしてまた転がす。
ささみジャーキーを切ったものや、豚の耳を切ったもの、乳酸菌ボーロなど…いろんな味がお楽しみで出てくる。

鼻先を使って転がしたり、くわえて放り投げたりするが、最後の方にはなかなか出なくなって苦戦するようになる。
みのちゃんがわざとちょっと大きめに切って、出にくくしているのだ。
出てくるまで、ころりん、ころりん、ころりん。
あきらめることはない。
ころりん、ころりん、ころりん。
その熱心さが気の毒になって、最後にはわたしが箸で出してあげるのだった。

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