馴染みの美容室でカットの予約をしている。
髪が伸びているから…行かなければ…むむう。
気乗りしない理由がある。…ももちゃんの事だ。「ももちゃんが死んだよ」と近況報告するのはいいが、それで泣いてしまうのが嫌だ。老婆の泣き顔を見せるのは恥ずかしい。
でもまだ…泣かずに話せる自信がない。それでなくても思い出す度…泣いている現状。だってあちこちにももちゃんの姿が在り在りなんだもの…でも“いない”という脳の混乱。
ひと回り年下の男の美容師さんとは(20年近くになろうか?)長い付き合い。毎回、お互い飼っている動物の話になる。ももちゃんの事は仔犬の頃から始まって~近年の病気の経緯もご存じだ。以前、彼の愛犬むーちゃんが亡くなった時も…話を聞かされた。
2か月ちょい前のカットの時は、「ももの具合がずいぶん悪くて…」という会話をしたのだった。なので、報告は避けては通れない。
カラコロリン…と音が鳴る扉を開けて「おはようございます」と静かに入る。

美容師さんは、店の奥の見えないスペースで「ゲホンゲホン、ゲッホーン」と咳こんでいるようだ。
「大丈夫?」と声をかけると、「だいじょぶです…むせただけ…おはようございます…」とのそのそ出て来た。
さっそくシャンプーをしてもらって、鏡前の椅子に座らされた。最初は「前回の軽く梳いてくれたのが良かったわ、今回もお願い」などと会話をしたが、意を決して「ももちゃんが死んだ」と報告した。「ええっっ」と大きく1歩後退りして「ああ…」と落胆の顔を見せた。
続けて「その4日後には兄が亡くなって」と言うと、「あえっっ⁈」とまた1歩後退して目を丸くした。
『そう…2度の不幸に見舞われた…わたしの髪の毛を切って頂戴…』とばかりに、静かに施術を促した。
カットしてもらいながら、わたしが「あれだね…美容師さんという職業はスピリチュアルな面があるよね…?」と言う。
「へっ?そんなこと(思ったこと)ないですよう…まあでも髪の毛には念がこもるって言うから、カットするのはいい事ですよねぇ…」
「失恋したら髪の毛切るし…ねぇ」
などと言って、それから『断ち切る』というテーマで話が進んだ。
限られた時間だから深く詳しい話はしなかったが、やはり涙ぐんでしまった。美容師さんは、ティッシュ箱を「ほれほれ」と差し出してくれた。
カット終了後も次のお客さんが来るまで、できるだけの話をしてくれた。なので会計後、手を合わせて「ありがとうございました」とお礼を言った。
帰宅後、しばらくして「右側の髪の毛切りすぎ!」なのに気が付いた。思い返せば…わたしが最初に前回のカットを褒めて「今回も梳いて軽くして」と言ったからにほかならない。でも、この部分は(わたし的に)軽くしたくない部分で(ニュアンスを伝えるのが難しい…)、そのことは毎回毎回「ここはこうね」と告げているのだが、今回言うのを忘れていた。
うかつだった。
この部分を切りすぎるとやりにくい。伸びて落ち着くまで1ヶ月はかかるだろう。
「スピリチュアルな職業ね…」の発言部分は間違いではないが、少し気持ちが薄れた(苦笑)。
翌朝やはり髪の毛が落ち着かないので、パッチン留めでとめた。
その事で気落ちしていたが、YouTubeに風さんのライブが追っかけのファン?によって投稿されているのを発見。観る。
風さんが今いる場所はインド!(1月24日、25日のフェスに参加らしい。)
風さんは蝶々の柄のパンタロン(ベルボトム)を履いていた。くねくね『キャスケットガール』のイメージだ。今回は何だかキラキラしているなあ!(つい先日、お正月里帰りして庶民的な姿で100均ダイソーとか行っていたのに…。)
『プレマ』が良かった。インドで!より一層の想いを込めて!歌っている感じが!伝わってきた。
『死ぬのがいいわ』で死んじゃってから『ハチ公』になって生き返ったのが良かった。

去年…辛かった時期、藤井風のアウバム『プレマ』にどれだけ救われたことか。
風さんのスピリチュアリティに癒される。


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