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ミクロの世界を覗く

暮らしのこと

 『ある日ある時神様が、地球に住む全ての生物に「みんなの願いの中で一番多かった願いを、ひとつだけ叶えてあげよう。」と言うのだ。人々は「そりゃあ世界平和だろう、一番多いに違いない。」などと考え、願った。でも、一番多かった願いは、地球の生物の大半を占める植物や動物、昆虫…等の願い、「この地球から人間を抹殺して欲しい。」だった。』

…というようなお話があるよ。と、以前…浜省が言ってたな。ネット上だったか、会報だったか…。

 未明の今朝早くククちゃんが、また「腹減ったあああ、ちゅ~るでも出してくれんか~」と、うるさく起こしに来たものだから、わたしは別部屋のベッドに逃げたのだ。

ドアを閉めて、静けさの中眠っていると…耳元で「ぷ~~ん」と蚊が飛んでいる…!

「いややぁ。もう蚊がおるん?」電気をつけて探すと姿がない。眠ると「ぷ~~ん」とやって来る。

いつの間にか首の後ろを1か所!かまれていている。かゆい!

「忌々しい!」と腹が立って、戸棚から「1プッシュで24時間効くスプレー」というのを取り出してきて、シュッシュッ、シュッシュッ、と、そこらへんに4スプレーくらいしてやった。

外が明るくなって起き上がる時、シーツの上に小さな点があった。老眼なのでハッキリしないが、やっつけた蚊かもしれない…と、つまんでリビングに持って行った。

そして、先日みのちゃんにネットで買ってもらった、ハンディ顕微鏡で覗いてみることにした。

先月のマダニ騒動から「ダニ」に対してピリピリしていたので、母と娘は顕微鏡を購入したのだった。

手のひらで握れるハンディタイプの大きさで、レンズの横にライトが点き、対象物がハッキリと映し出される仕組み。

白いメモ用紙の上に「蚊」を乗せて、レンズを覗きながら2か所あるダイヤルを、ちょっとずつ回してピントを合わせる。

なかなか見えないな…と苦戦していると、突如恐ろしい物体が。

ヒイイイイイ~。

蚊の顔がドアップで現れ、目(複眼)の模様までがくっきりと!まつ毛もある!…まだ微かに生きていて、ピクピク動いている。おおお…。

みのちゃんにも「見て!」と勧めたら拒否られた。「いやや!みのは葉脈が見たいんや!」なんて意気地のないことを言っている。

でかく見えすぎて全体像がつかめない…。

お腹に、うっすらとほんのりと…わたしの血が透けていた。

お腹にびっしりと付いている卵のようなブツブツは何だろう…ううう。気持ち悪いが、じっくり見てしまう…。だってすごくよく出来ている。

蚊のドアップの顔を見ていると、なんだか…殺られた恨みの言葉が聞こえてくるようで…前述の浜省の話を思い出したってわけ。

調べてみると、星新一編「ショートショートの広場8」に載っている八塚顔高という人の「みんなの願い」というお話だった。

それにしても、なぜ…わたし達は顕微鏡を買ったのだろう…?なぜ欲しいと思っただろう…。

例えばダニを見つけてどうするのだろう。

見つけたら見つけたで「ギャーッ」と叫んで不快になるだけでは?肉眼では見えない、ミクロの世界を覗くには勇気が必要かもしれない…。

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