ももちゃんの夜散歩に誘われた。
1日3回の散歩のうち1回は、河川敷や広い公園に行ってしっかり運動させるようにしている。いっぱい歩いて疲れると、夜もぐっすりのももちゃんなのだ。
この日はそれが夜になってしまったので、ついでにわたしも連れて行かれることに…。
野球場が隣接している「総合運動公園」に行くことになった。ももちゃんと行くのは初めて…夜も入れるようだ。
昼間は人が多く、ももちゃんは苦手だろうという事で避けてきた公園…夜はどうだろうか。
夜の公園は誰もいなかった。子どもの遊具がある広場にはもちろん誰も…。こんな時間に怪しげな人がいても怖いし、誰もいなくても、どっちにしても怖い…。
それでも、あちこちに街灯があって思いのほか明るく、ももちゃんの姿も表情もちゃんと見える。
以前行った夜の森林公園は真っ暗闇だったから恐ろしかった…。やっぱり街の公園は違うなあ。
そして高台から見る街の夜景も、空気が澄んでいるせいか…美しい。
丘を上ると息切れがした。スーハア、スーハア…肺に入る空気の冷たいこと。
みのももは足取り軽くどんどん行ってしまう。ももちゃんはピンクのもこもこ上着を着せられていて、まるまるした子豚のように、地面を匂いながら小走りしている。
長い長い滑り台があり、みのちゃんが「滑ってくる」と言ってももちゃんをわたしに託し、すっかり童心に戻って「キャー」などと言って遊んでいた。…それを心配そうに見ているももちゃん。
芝生広場では、ふたりは全力疾走、駆け回った。
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せっかくなので球場周辺も歩く。
最寄りの駅から人がちらほら家路に向かったり、ジョギングをしていたり、この辺に来ると犬の散歩の夫婦にも会ったりで、安心な気持ちになる。
オリックス時代のイチローを観に何度も訪れたなあ…だからいつもライト側の外野席に座った。…などと思い出しながら歩いた。
みのちゃんも学生時代、この辺の競技場や体育館などを利用したそう。
ももちゃんは歩道の側溝のグレーチングに差しかかる度、みのちゃんに「ジャーンプ!」と声掛けしてもらいながらピョーンと飛び越えた。山道や公園の自然の中を歩くことが多いももちゃんだけど、たまにはこんな道も練習だ。
みのちゃんが「半年に一度くらいは、もも散歩に来てもいいかな。」という評価の公園だった。駐車場代もかかるしね。
帰宅すると、三角のひっつき虫が下半身にたくさん付いていた。そんな藪の中に入った記憶はないんだけどなあ…。いったいどこで…?
ももちゃんのもこもこの上着には、恐ろしいほどびっしり!ひっついていた。これは…取るのが難儀な事だぞ…。
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