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雲の上の図書館

わたしのこと

 神戸を未明に出発し、車で5時間ほどかけて故郷にたどり着いたのは午前9時。

早速、持参した食パンでサンドイッチ作りに取りかかる。

この度のわたしの役目は、多忙になる身内の胃袋を満たすことだと考え、食材をいくらか持ち込んだ。

でも、おかあさんの台所は長年機能しておらず…簡単な物をこしらえることしかできない。

玉子をゆでてマヨと合わせ、キュウリ、レタスのシンプルなサンドイッチと、ジャム各種を挟んだ簡単なサンドイッチを作る。3斤分。

そうしていると、みほちゃんがやって来た。

先日、浜省映画を一緒に観たばかり(場所は違うけれど)の、みほちゃんだ。それでも面と向かって会うのは、なんと10年以上ぶりになる。

抱き合うふたり。

ひと通り落ち着いてから、みほちゃんはサンドイッチ作りを手伝ってくれた。そして、ひと段落ついたところで買い出しに連れて行ってもらうことに。車でブ~ッと。

…と言うのは表向きで、わたしは図書館に行きたかったのだ。みほちゃんと。

 この町の「雲の上の図書館」は、建築家 隈研吾が設計。

みほちゃんが丁寧に案内してくれて、館内に入った。まあ!なんてすてき。

朝ドラ「らんまん」のモデル牧野富太郎の本がいっぱい。

「一番お気に入りの場所」と言うスペースまで、わたしを導くみほちゃん。階段を上がった奥の、そこは四方を書棚で囲まれた真四角のお部屋だった。

みほちゃんとわたしの断然好みの本が!ずらりやないの!

…とても買うことができない立派な図鑑や、アートや動物の写真集。震える…。

大好きな作家らの全集がずらり揃っている。

日本の有名な文豪の棚の横には、漫画界の巨匠の作品も!この扱いは…素晴らしい…。

そこに陸奥A子や大島弓子も並んでいるのだから「ちょっとちょっと!これ並べたの誰よ⁈」と、その人に会いたくなる。

みほちゃんが、「ここに寝っ転がって読んでもええがで(いいんだよ)!」と言う。

「まあ!すてき。」 ⤵

わたしは、ここで1日を過ごせるな…。…田舎なので人が少ないのも良い。

趣味が似たみほちゃんと、面白い本を眺めながら語り合っていると、あっという間に時間が経ってしまう。

「こんな素晴らしい図書館の近くに住んで…幸せやん~恵まれてるなあ。」と言うと、「ううむ…」と口ごもるみほちゃん。

図書館を後にして、この町の唯一の(?)スーパーで買い物をした。子どもの頃好きだった三色串団子フライ(すり身の)を5本買った。

帰宅して台所の仕事の続きをする。

みほちゃんは田舎のお葬式の経験が豊富なので、幼なじみでもあるパパにあれこれとアドバイスをしてくれている。

そして「もっとずっと一緒に居たいけど…」と残念そうに、104歳のばあちゃんのところに帰って行った。

ありがとう。みほちゃん。

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