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10年前のウズラのはなし③

家族のこと

 …つづき。

ウズラの卵から孵(かえ)ったピー子は、とても小さかった。こんな生き物、触ったことがないわ…。

だってウズラの卵って小さいもんね。

手のひらに乗せても重さを全然感じない。身体のほとんどがふわふわの羽毛だから。

それでもダンボールの中を動き回る速さと言ったら!ピーピーピーピーピーピーピーピーひっきりなしに鳴きながら!せわしない!

これは動画の一時停止画像です。⤵ 右往左往するピー子。

「ピーピーピーピーピーピーピーピー」何かを探しているの?…わたしは困ってしまった。どうしていいかわからない…。

オロオロしていると、えりちんが「とりあえず水を飲ませないと」と協力してくれた。水に溺れないように器に小石を入れたり。えりちんが何か食べさせてくれている写真があるけど、取り急ぎ何を与えたのか?それさえも記憶がないほど、わたしはテンパっていた。

翌日、頼りになる息子ファミリーは東京へ帰ってしまった。

…ひとり残され不安。このダンボールのままでは中のピー子の様子が見えないし、かと言って蓋を開けっ放しにするわけにもいかない。それでなくても4匹のねこ達が「どうしたどうした」と異変を察知しているのだから。

ピー子の環境をどうにかしなければならない。なにせ孵化した後のことなんて何にも考えていなかった。正直言って…孵化するなんて思っていなかった。

明日の金曜日の仕事を終えるとみのちゃんが帰ってくる!それから対策を考えなければ。ヒヨコの飼育はどうするのだろう…?里子にに出すか?みのちゃ―――ん!

しかし。

金曜日の午後、あと数時間でみのちゃんが家に到着…というところで不幸が起きてしまった。せわしなく動き回るピー子は敷いてる物の隙間に潜り込み、出てこれなくなって死んでしまったのだ。

さっきまでピーピーピーピー鳴いてたじゃないの。

あっけない最後にわたしは力を無くした。

わたしの手のひらに乗せたあの可愛い命…簡単に死なせてしまった。わたしのせい。

命を安易に誕生させた無責任さ。それを失った虚しさ。自己嫌悪感が残った。

すっかり小さく萎(しぼ)んでしまったピー子の亡骸を…みのちゃんに見せるわけにはいかず、ベランダの植木鉢の土に埋めた。

その後帰宅したみのちゃんは、何も言わなかった。わたしを責めることも、もちろん無かった。でも、とても気まずい空気。お互いに気持ちが疲弊した。

後日の、とある日曜日のこと。

ちびまる子ちゃんの来週の予告で『まる子、ウズラの卵が欲しいの巻』だよ、お楽しみにね!なんて言っている。みのちゃんとふたりして苦笑い…。まる子もどうやらウズラの卵の孵化に挑戦するらしいわ…。

やめときやめとき。

それ以降…わたしはウズラの卵が食べられなくなった。(今は出されたら食べるかな。)

10年前の9月1日~3日の出来事だったので、この機会に思い出してみた。

…そしてきょうもとても暑いのだ。

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