朝の散歩から帰ってきたら、もう10時になるところだった。
ももちゃんが「ごはん、はやく!」と言っている。
かわいそうに、おなかがペコペコなのだ。
みのちゃんが器を用意したり、部屋でカリカリにトッピングしたり、廊下を行ったり来たりする度、浮足立った体制でついてまわるももちゃん。
みのちゃんも焦った様子で、ふたりはウロウロしている。
わたしは起きてすぐに、はちみつトーストを1枚食べていたので、お昼ごはんのお弁当を作ることにした。
昨夜の大根と厚揚げの煮物が残っているし、パパのお弁当用の牛肉のしぐれ煮、きゅうりの酢の物、キャロットラペが残っているから詰めればいいだけだ。
たまにこうして自分用にもお弁当を詰めて食し、味見などの確認作業をすることにしている。
煮物を温めなおしていると、冷蔵庫から飲み物を取り出しに来たみのちゃんが鍋を覗いた。
「おっ」と言って、おもむろにお箸を取って直に食べ始めた。
みのちゃんはこのところ忙しく、昨夜も家でごはんを食べていない。
だからといってお弁当は要らないと言うだろう。
…なので黙って見ていると、探しながら食べているので「何が好きなの?」と聞くと「しいたけ」と言う。
先日、徳島香川に行った際に買った干し椎茸が好きなようだ。
「ひとつは残しといてよ」と、お弁当用に。
みのちゃんは慌ただしく出かけて行き、一方ももちゃんも朝ご飯が終了して残念そうにしている。
先日のランチを食べ終わった後、パパが「終わっちゃった」と言うのと同じ気持ちなのだろう。
お弁当を詰めるのは1分で出来た。
思いのほか自分の好みのお弁当になった!
ほぼ毎日お弁当を作っているが、パパのお弁当は写真を撮る気にもならない。
可愛くないから。
職場に電子レンジがあって温めたりするからプラスチックのお弁当箱で、それが2つあって、ひとつはご飯、ひとつはおかず、と分けている。
パパ用のお弁当箱は他にも、みのちゃん用と同じ素敵なアイザワのステンレス製や、曲げわっぱもある。
作り手のわたしのモチベーションを上げるために、それらは用意されたのだが…。大食家のパパ用お弁当箱はとにかく大きすぎるのだ。
どれに詰めても可愛いと思えない。
もし可愛いを求めるとしたら、いろんな種類のおかずを作って詰めれば、可愛いどころかゴージャスなものになるであろう。
いやだ。
そんな行楽弁当を毎日作るなんて無理だ。
わたしは、シンプルでコンパクトなお弁当が好きなのだな…。
お昼になった。
ベランダのイスに座って、日に当たりながら食べた。
春はやっぱりお弁当の季節だなあ。
煮物の厚揚げがおいしい。きっとパパもそう思って食べているはず。
玉子焼きがないのが残念な気持ちになった。
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