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「羽織もの」ノイローゼ

家族のこと

 桜の花が終わって、次は道路脇のツツジが鮮やかな色で咲き始めた。

4月も後半。街行く人の服装は様々…である。冬の名残りのダウンジャケットを今だに着ている人もいれば、Tシャツ姿の元気な人もいる。笑ってしまうほど、まちまちである。

それは春という季節の気温が不安定だからだろう。また、1日の中でも寒暖差が大きいので、重ね着をして脱いだり着たり…こまめに温度調節をするように天気予報のお姉さんも言っている。

わたしは衣服に対して面倒くさがりな面があって、重ね着が苦手だ。

重ね着をするとなると、この服とこの服は合うかしら?などというコーディネートをしなくちゃならないではないか。

わたしはせいぜいトップスとボトムスを合わせるくらいしかしたくないのだ。ペロッと1枚ワンピースを着るのが1番好き。

そして、この季節はそれに軽い上着や羽織ものをプラスすることになる。

しかしながら、この「羽織もの」というのがくせ者と考える。大概の服に合うものが良かろうから、色や生地、袖の感じ、着丈などを考慮してオールマイティーさを求めてしまう。

でもそんな万能で優秀な「羽織もの」に出会うのは難しい。

現にわたしは、今だに気に入った「羽織もの」と出会っていない。…現在も、あるもので適当にやり過ごしている。

パパは、わたしと違って重ね着が好きなようだ。そして、やたら羽織りたがる。特に丸首のTシャツやトレーナー、セーター類だけだと心もとないのか、上着を着たがる。パーカーの上にもダウンベストを着る。

冬はオーバーコート、ジャケット、ジャンパーなど上着がたくさんあるからいいけれど、それ以外の季節に、「なんかこの上に…軽く羽織るもの、なかったかな」などと言われることが、以前度々あった。

衣類を管理しているのはわたしだけれど、いつも「探せばあるだろう」的な感じで言われるのには少々腹が立った。だって買いもしないのにあるわけないじゃん。打ち出の小槌もドラえもんポケットも持ってないわ。

きっとパパも、そして誰しもが「羽織もの問題」を持っているのではないか…どうだろう?

コロナ禍の頃、老人介護施設に入っている義母の衣類を季節ごとに送っていた時期があった。下着などパパには難しいだろうから、わたしが見つくろって選んで荷造りをした。

義母の最初の要望は「チョッキが欲しい」であったから、軽いダウンベストを選んでみた。

それから季節ごとに何度か送る度、「羽織るもの」を毎回要求された。

どんな服を送ったか忘れないように写真に撮っていたので、見直すと素材や色の違うカーディガンやベスト等も送っている。夏には涼しげなニットの半袖カーディガンも…。わたしは思わず「羽織るものって…一体何よ⁈」と頭を抱えるようになった。

その後も「羽織もの」の要求は幾度と続いた。わたしは、パパと義母共々「羽織もの」が好きな親子なんだな…と思った。

自分のでさえ選ぶのが難しいと思っているので、他人の羽織ものを選ぶのは荷が重い。

もうしらない。

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