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さようなら…スガちゃん

家族のこと

 5月28日に、高知の故郷に居るパパのおかあさんが亡くなった。

享年83歳。

周囲の年上の人からも、年下の人からも「スガちゃん」と呼ばれ慕われていた。身体の元気な頃は、人の世話ばかりしていて、自分の楽しみは後回しの人生ではなかったか。

わたしたちが高校生だった頃も、みんな「スガちゃん」呼ばわりをしていた。

家の母屋から離れた部屋が、ワルい子も良い子も遊びに来る「たまり場」だったからだ。

そんな状況に、スガちゃんは内心穏やかでなかったはずだが、決して口うるさいおかあさんではなかった。

なので、スガちゃんの誕生日に、みんなでお金を集めて「いつも迷惑かけてごめんなさい」的なプレゼントをしたことがある。…わたしとみほちゃんで買いに行ったと思う。(丸いペンギンのぬいぐるみ)

その後に結婚してからはさすがに、わたしだけは「スガちゃん」とは呼べなくなったけれど。

3人息子を持つスガちゃんは、計5人の孫のおばあちゃんになった。孫たちは「高知のおばあちゃん」と呼ぶ。

晩年は老人ホームで、誰ともなかなか面会がかなわず…とてもさびしい思いをさせた。

さぞかし自分の家に帰って来たかったであろう…と思うと、可哀想な気持ちで胸が痛む。

3年以上ぶりの親子の対面が…こんな形になってしまった。

もう会話を交わすことができないのに、おかあさんの「もんた(戻った)かよ、ようもんたね」と言う声が聞こえてくるようだ。

パパは「柔らかい。まだ柔らかい。」と、ほっぺたや耳たぶに触れていた。

その夜は、パパがおかあさんのとなりに布団を敷いて寝た。その隣にわたしの布団。

パパは、おかあさんの方を向いて横になり、何かしら思いに耽っているようだった。

翌日がお通夜で、次の日が告別式。

涙を流すような雨が、真っ直ぐにざあざあ降った。そして湿気がわたしたちを包み込んだ2日間だった。

おかあさんは、たくさんのお花に囲まれて旅立って行った。

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