スポンサーリンク

心細いふたりと梅の花

猫のこと・犬のこと

 みのちゃんが定期的に整体に通うらしい。家からちょっと遠いところ。

朝9時の予約だから朝散歩もついでにするように、わたしとももちゃんも車で連れて行くという。

その間、近くの公園で散歩しながら待ってて、と言うのだ。

わたしはももちゃんと二人きりの散歩はあまり自信がないし、途中でわたしがトイレに行きたくなったらどうするの…とあらゆる心配が尽きないのだ。30分くらいで終わるから、ということなのでしぶしぶ同行することに。

公園に到着し車から降ろされ、置いて行かれたわたしとももちゃん。

人の少ない公園内を、とりあえずぐるりと歩く。

ももちゃんは、最初は喜んであちこち匂いを確かめたり、転がってるサッカーボールで遊んだりしていたが、次第に「あれ?みのちゃんは?」と気にするようになった。

「くーんくーん、もももみのちゃんのところに行く!」なんて言い出した。

30分はここに…、いや早めに来てしまったので50分はここにいないといけないのだよ。

さあ、あっちにも行ってみよう!と促すが「くーんくーん、ここで待ってる!」などと言う。

仕方がないのでベンチに座り、おやつを見せたが「今いらない」と素っ気ない。

 

 ホ~ホケキョ、うぐいすが鳴いている。

梅の木の白い花がいい匂いを放っている。

わたしは顔を近づけて匂いを確かめた。うっとりした気分になって少し元気が出た。

じっと座っていたかと思いきや、急に走り出すももちゃん。

どこからか、みのちゃんが登場するのでは!と散策し始めた。

そしてまた座り込む、のくりかえし。

 やっと時間になって、遠くから「もも~」と声が聞こえる。

首を長くして確かめるももちゃん。二人駆けよって感動の再会だ…。

 また次があるのか聞くと、いつかわからないが次も連れていかれるらしい…。

ももちゃんが楽しいならわたしも張り合いがあるのだけど、くーんくーん泣くんだもの。わたしも泣きたくなるよ。

わたしとももちゃんの散歩が上手くなるように、スパルタみのちゃんが企てているのだろうか。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました