目的の場所は、色々なお花が咲く美しいハーブガーデン。
そこでお弁当を食べ、展望プラザで景色を眺めながら、ソフトクリームを食べるのもいいだろう。
存分に楽しんだら、帰りはロープウェイで街に降りて(10分くらいで降りる)、「ブルーシール」っていうアイスクリーム屋さんに行きたいね!…なんて話していた。
でも、予定は変わってしまった。
森から抜けてハーブガーデンの入り口に着き、平たい階段を意気揚々と上っていた時。
右足が引っかかって転んでしまったのだ。
その時、モルタルでできた偽丸太に「ガンッ」と右手を打ち付けてしまった。
「いったーーーい!ほねがおれたあああああーーー!」と叫ぶ。
折れたかどうか知らないが、それだけ痛かったのだ。
目の前が…暗くなっていく。
痛すぎて、うわ吐きそう。やばいやばい。
今度は目の前が白くなってきて、みんなの顔が真っ白に飛んでいる。声も別世界から聞こえてくるみたいだ。
別世界から、「近い病院聞いてくる」だの「ハンカチぬらしてくる」だの聞こえてくる。
どこかの外国人がお弁当を食べている様子もうかがえる。ちょうどお昼なんだな…。
おべんとう…おべんとうを…皆に食べさせなければ…。せっかくのおべんとう…。
この痛い右手、「あー大丈夫、大丈夫、もう痛くなくなった!」って、なかったことにできないだろうか…。なんとか遠足を続行できないだろうか。
しかし…異様に曲がっているし、痛みは引かない。
…これは病院に連れて行ってもらうしか…ない。
視界も戻ってきて落ち着いたので、地元の行きつけの病院に連れて行ってもらうことになった。
持っていた巻物で腕を吊ってもらい、手をつないで歩いてもらう。
荷物も持ってもらった。
階段を降りようとすると、「こっち!こっち!」とエレベーターにのせられた。
つづく
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